取引先にファイルを共有しようとしたら、うっかり「誰でも編集できる」設定のまま送ってしまった——そんな経験はありませんか? クラウドストレージの共有機能はとても便利な反面、権限の設定を誤ると、情報漏洩や意図しないファイルの改ざんにつながる危険があります。
この記事では、GoogleドライブとOneDriveを例に、共有権限の基本と、事故を防ぐための設定手順を初心者向けにわかりやすく解説します。
なぜ「権限過多」が事故につながるのか
ファイル共有でよくあるミスが、必要以上に強い権限を相手に与えてしまう「権限過多」です。たとえば、社内資料を見てもらいたいだけなのに「編集可」で共有してしまうと、相手が誤って内容を書き換えてしまったり、最悪の場合は第三者に転送されて情報が広がってしまったりするおそれがあります。
特に注意したいのが「リンクを知っている全員」という共有方式です。このリンクは、URLさえ知っていれば誰でもアクセスできてしまうため、メールやチャットで転送されたり、検索エンジンに誤って表示されたりするリスクがあります。取引先とのやり取りでは、できるだけ「特定のユーザーだけがアクセスできる」設定を選ぶことが情報漏洩対策の基本です。

「リンクを知っている全員」と「特定ユーザー」の違い
まずは2つの共有方式の違いを整理しましょう。
- リンクを知っている全員:URLを知っている人なら誰でもアクセス可能。ログイン不要な場合が多く、手軽だが管理が難しい
- 特定のユーザー:指定したメールアドレスの相手だけがアクセス可能。アクセスするにはそのアカウントでのログインが必要
社外の取引先と機密性の高い資料をやり取りする場合は、基本的に「特定のユーザー」を選び、閲覧してほしい相手のメールアドレスを個別に指定するのが安全です。「リンクを知っている全員」は、不特定多数に見てもらいたい資料(イベント告知や公開用PDFなど)に限定して使うようにしましょう。
Googleドライブでの設定手順
- 共有したいファイルを右クリックし、「共有」を選択する
- 「ユーザーやグループを追加」の欄に、共有したい相手のメールアドレスを入力する
- 入力欄の右側にあるプルダウンから、相手に与える権限(閲覧者/閲覧者(コメント可)/編集者)を選ぶ
- 「送信」をクリックすると、相手に共有通知のメールが届く
すでに「リンクを知っている全員」で共有してしまっている場合は、共有設定の画面で「制限付き」に切り替えることで、指定したユーザー以外のアクセスをブロックできます。過去に共有したファイルも、定期的に見直す習慣をつけておくと安心です。
ダウンロード・印刷・コピーを禁止する設定
「閲覧だけしてほしいが、ファイルを手元に保存されたくない」というケースでは、ダウンロードや印刷、コピーを禁止する設定が有効です。
- ファイルの共有設定画面を開く
- 右上の歯車アイコン(詳細設定)をクリックする
- 「閲覧者と閲覧者(コメント可)に、ダウンロード、印刷、コピーのオプションを表示しない」にチェックを入れる
- 「保存」をクリックする
この設定を行うと、閲覧権限やコメント権限を持つユーザーの画面からダウンロードボタンなどが消え、ファイルの持ち出しを防ぐことができます。ただし、編集者権限を持つユーザーには適用されない点に注意してください。
OneDriveでの設定手順
OneDriveも考え方は同じで、共有時にアクセス範囲と権限を選べます。
- 共有したいファイルを右クリックし、「共有」を選択する
- リンクの種類を「特定のユーザー」に設定する(初期状態は組織内の全員になっていることがあるため要確認)
- 鉛筆アイコンから「編集を許可する」のチェックを外すと、閲覧のみの権限にできる
- 共有したい相手のメールアドレスを入力し、「送信」をクリックする
OneDriveでも、リンクの詳細設定から「ダウンロードを許可しない」という項目を選べます。社外の取引先に機密資料を見てもらう際は、あわせて設定しておくとよいでしょう。
共有前に確認したいチェックリスト
- 共有範囲は「特定のユーザー」になっているか(不必要に「リンクを知っている全員」を選んでいないか)
- 権限は必要最小限(基本は閲覧のみ)になっているか
- 機密性の高い資料には、ダウンロード・印刷・コピー禁止の設定を追加したか
- 共有後、不要になったらアクセス権を削除しているか
この4点を送信前に確認するだけでも、うっかりミスによる情報漏洩のリスクを大きく減らすことができます。
まとめ
クラウドストレージの共有機能は、権限の意味を正しく理解して使えば、社内外とのやり取りをスムーズにしてくれる便利な機能です。一方で、「リンクを知っている全員」と「編集可」を安易に選んでしまうと、情報漏洩や誤操作のリスクが一気に高まります。
特に取引先とのファイル共有では、「特定のユーザーを指定する」「権限は閲覧のみを基本にする」「必要に応じてダウンロードを禁止する」の3点を意識するだけで、事故のリスクをぐっと減らせます。日々のファイル共有の際は、送信前に一度、共有範囲と権限を見直す習慣をつけておきましょう。


