「SaaS」って何の概念?クラウド用語(SaaS/PaaS/IaaS)を身近な例えで理解

「SaaS」「PaaS」「IaaS」——IT系のニュースやサービス紹介でよく見かけるこれらの言葉、なんとなく「クラウドサービスの種類」ということは知っていても、正確な違いを説明できる人は意外と少ないのではないでしょうか。

この記事では、この3つの用語を「住まい」や「外食」といった身近な例えに置き換えながら、初心者の方にもすっきり理解できるように解説します。あわせて、普段仕事で使っているMicrosoft 365やGoogle Workspaceがどれに当たるのかも整理します。

SaaS・PaaS・IaaSは何の略?

まずは3つの言葉の正体を確認しておきましょう。いずれも「〇〇 as a Service(サービスとしての〇〇)」の頭文字を取ったものです。

  • SaaS(サース/サーズ):Software as a Service=ソフトウェアがサービスとして提供される形態
  • PaaS(パース):Platform as a Service=アプリを開発・実行するための土台(プラットフォーム)がサービスとして提供される形態
  • IaaS(イアース/アイアース):Infrastructure as a Service=サーバーやネットワークなどの基盤(インフラ)がサービスとして提供される形態

この3つの違いは、「自分でどこまで用意するか」「サービス提供側がどこまで用意してくれるか」の分担範囲にあります。ここからは、この「分担範囲」を「住まい探し」に例えて見ていきましょう。

「住まい」に例えるとわかりやすい

クラウドサービスの3階層は、住まいの選び方に例えるとイメージしやすくなります。

IaaS=土地を借りて自分で家を建てる

IaaSは、更地の「土地」を借りるイメージです。土地(サーバーやネットワークなどの基盤部分)は用意されていますが、その上にどんな家(OSやソフトウェア)を建てるかは、すべて自分で決めて用意する必要があります。自由度は非常に高い反面、設計や建築(環境構築や運用管理)の知識と手間が必要です。主にシステムを開発するエンジニアが利用する形態です。

PaaS=骨組みのある賃貸物件を借りて内装を整える

PaaSは、建物の骨組みと基礎的な設備(キッチンや配管など)がすでにある「賃貸物件」を借りるイメージです。土台となる部分(OSや開発環境)は提供側が用意してくれるため、自分は内装(アプリケーションそのもの)を作ることに集中できます。IaaSより手間が少なく、それでもある程度自分好みに作り込める、中間的な位置づけです。こちらも主に開発者向けのサービスです。

SaaS=家具家電付きの賃貸マンションにそのまま住む

SaaSは、家具・家電・インターネット回線まで揃った「家具家電付き賃貸マンション」に、そのまま住み始めるイメージです。土地探しも内装工事も不要で、契約したその日から生活(利用)を始められます。専門知識がなくても使える手軽さが最大の特徴で、私たちが日常的に使っているクラウドサービスの多くがこのSaaSに該当します。

「外食」に例えるとさらにわかりやすい

もう一つ、「食事」に例えた見方も紹介します。こちらのほうが直感的に理解しやすいという方も多いはずです。

  • IaaS=スーパーで食材を買って自分で調理する:キッチン(サーバー)は用意されているが、献立も調理もすべて自分次第
  • PaaS=ミールキットを使って調理する:食材と手順(開発環境)はセットで用意されており、調理(アプリ開発)だけに集中できる
  • SaaS=レストランで出来上がった料理を食べる:注文するだけで、すぐに完成品(サービス)を利用できる

「自分でどこまで手を動かす必要があるか」という視点で見ると、IaaS→PaaS→SaaSの順に、利用者が用意する手間はどんどん少なくなっていくことがわかります。

普段使っているツールはどれに当たる?

ここまでの分類をふまえて、普段の仕事でよく使うクラウドサービスがどこに位置づけられるかを整理してみましょう。

SaaSの代表例

  • Microsoft 365(Word、Excel、Outlookなどをブラウザやアプリからそのまま利用)
  • Google Workspace(Gmail、Googleドライブ、スプレッドシートなど)
  • Zoom、Slack、Chatworkなどのコミュニケーションツール

これらはすべて、アカウントを作ってログインすれば、環境構築などの準備なしにすぐ使い始められます。インストールやサーバーの用意が不要な点が、まさに「家具家電付きマンション」的な手軽さです。

PaaSの代表例

  • Microsoft Azure App Service、Google App Engine(アプリ開発者がプログラムを動かす土台として利用)

これらは主にシステムを開発するエンジニアが、アプリの実行環境として利用するサービスです。一般のオフィスワークではあまり意識することはないかもしれません。

IaaSの代表例

  • Amazon Web Services(AWS)のEC2、Microsoft Azure Virtual Machines

こちらも主にエンジニアが、自社サービスのサーバー基盤として利用するものです。会社の情報システム部門やインフラエンジニアが管理していることが多く、一般の従業員が直接触れる機会は少ないでしょう。

まとめ:3つの違いを一言で言うと

SaaS・PaaS・IaaSの違いは、「サービス提供側と利用者側で、どこまでの部分を用意するか」という分担の違いに尽きます。

  • IaaS:土地だけ借りて、あとは全部自分で用意する
  • PaaS:骨組みのある物件を借りて、内装だけ自分で作る
  • SaaS:家具家電付きの部屋にそのまま住む=私たちが普段使っているツールのほとんどはこれ

次にニュースや製品紹介で「SaaS型サービス」「IaaS基盤」といった言葉を見かけたときは、ぜひ今回の「住まい」や「外食」の例えを思い出してみてください。それぞれの言葉が指しているものが、きっとすっきりとイメージできるはずです。

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